本日いよいよニューアルバム「ハンサムウーマン」リリース
- 木下詩野
- 2015年5月28日
- 読了時間: 3分

2015年5月28日。
今日は父の誕生日です。そして私の五枚目のアルバム「ハンサムウーマン」が
この日に発売されました。
1991年にスカウトされてシンガーソングライターとしてメジャーデビューしてから
思えば随分と長い歳月が流れたものだとしみじみと噛みしめております。
前回の作品である「NUDE」というアルバムは、闘病中の中で二年間かけて
制作したものでした。あの頃は一か月に一曲レコーディングするのがやっとで
極度の貧血でなんとか作りあげたものでした。
そのため、通常は自身で作曲もしていたのですが、「NUDE」に関しては
ほとんどの曲を依頼して作詩だけ紡ぎ、シンガーに徹して制作した異例のアルバムでした。
けれどその音楽があったから・・・なんとか頑張ってこれたと思っています。
あれから、見事に病気を克服し、自身のパワーがやっと漲ってきた時、
新たにオリジナリティーあふれるアルバムを作りたいと、今までずっと一緒に
力をくれたピアノ弾きの沢村繁さんにproduceを依頼し、精力的にレコーディングしてきました。
思えば去年の夏・・・。10年ぶりにワンマンライブで復活して
やっと皆様の前で歌えることができた事が自身の自信に繋がった気がしています。
あの時のライブは本当にたくさんの方々が遠方から駆けつけてくれて
大きな拍手と歓声で私を迎えてくれた音楽人生の中で最高に幸せなライブでした。
本当ならば、もっともっと沢山ライブもしたいし、もっともっと音楽活動に集中したいと
いう想いでいっぱいなのですが、現在 父が重度の認知症で、介護という現実があるため、
なかなか家を空けることが難しいのですが、それでも父の笑顔が私の原動力になっていることは間違いありません! 父の記憶はほとんどありません。
最愛の姉の死で慟哭の悲しみを家族皆で乗り越えてきたけれど
父の記憶にはあれほど愛した姉の記憶も消えてしまっています。
もちろん私が誰であるかももう思い出すことはできないようですが、
それでも父は笑顔で私に微笑みかけてくれます。
父は素晴らしい芸術家でした。
父の描く作品はすべて魂を感じて育ってきました。
そして私が音楽を作るたびに歌詞を見ては、素晴らしいと何度も読み返してくれました。
亡くなった姉も父も、誰よりも私の音楽を応援してくれた最大の支援者だったと思います。
今回のアルバム「ハンサムウーマン」は前半からドラマ仕立てに
あらゆる大人の女性の生き様をテーマにして構成していますが、後半になるにつれて
私の心の心象風景が見え隠れしています。
「夢人」という曲の歌詞は完全に父へのラブソングになってしまいました。
今日で父は85歳の誕生日を迎えました。
この曲は私から父への心からの感謝として・・・父にプレゼントしたいという気持ちだけで作り上げてしまいました。父はもうこの歌詞の意味はわからないかもしれませんが、
魂できっとわかってくれているはずだと信じています。
ついつい私情的な話になってしまいましたが、このアルバムは
一枚一枚手売りです。
本当に今まで応援して下さったたくさんの方のご支援なしには世の中に出すことはできません。メジャー時代と売り出し方はまるで違うものですが、
真心と真心が結び合って世に出るアルバムがあっても良いはず。
そう信じて、焦らず、ゆっくりと、一歩ずつ、この一枚一枚を我がいとし子のような想いで
見送りたいと思います。
まだまだ未熟な人間です。けれどこれからも丁寧に毎日を大切に生きたいと思います。
どうか皆様の暖かなご支援をこれからも宜しくお願いいたします。
2015年 5月28日 木下詩野
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